Magic Composition

魔法組成の研究と実践の手引き

つかぬまのドミネーション

事前に申し上げておきますと、セックス要素はないです。よかったですね。ヴィーガンのあなたでも今回は読めます。

 

Oさんとの出会いは、小学生のときの学習塾でした。

彼女を一言で言えば、天才でした。ずば抜けていました。私たちの通っていた学習塾では、定期試験が行われてその結果に応じて席順が変わるというちょっとしたイベントがありました。席替えする度、彼女は一番前の席でした。私も成績がよかったのですが、彼女は本当に、優れていました。

後から聞いた話ですが、彼女は「勉強するのが好き」と言っていて、それが天才になる要件なのだと私は勝手に納得したことがあります。

関わり始めたのは…些末なきっかけです。彼女が授業中に間違えたことを、私が笑ってしまったことからすべてが始まりました。完璧な彼女が間違えた…私にとってそれはとても面白いことでした。意外なことに彼女は立腹したようで、言い返してきました。それ以降、お互いが間違えるたびに嘲りあったり、罵ったりするようになりました。

特に印象的だったのが、私が中学のときのとある定期試験で偶然よくできて、彼女を越して一位をとったときです!そのときの彼女の顔といったら!このときのことは私としては特に気にしていなかったのですが、高校に入ってから彼女が「採点ミスだ」とかいったので、思い出してしまいました。

 

そんな感じで小学校、中学校と、険悪な(外野は夫婦喧嘩などと呼んでいましたが)日常を過ごしました。

変化は中学生が終わる頃、訪れました。いつも通りいじめても睨めつけてくるだけで、何の反応もなくなってしまいました。このときの睨み付けてくる顔がとても怖かったので、女の子をもういじるのはやめようという決意をしました。改心までさせてくれて感謝しています。

話を戻すと、彼女は容姿が優れていたので、当然のように年上の彼氏がいました。そう、おわかりですね。彼女は彼氏と別れてから、おかしくなってしまったのです。無反応だったのはそのためでした。

高校に入ってからはもっと異様でした。まともな言葉を交わしたことのない私たちの間で、普通の会話をするようになったのです。恐怖のあまり、今でも震えることがあります。これは睨めつけられるより怖いです。
ちなみに、中学時代の彼女を知る同級生からは「女王」とか陰で呼ばれてました。三分の一くらい私が悪い気がしてとても心が痛んでいます。もう三分の一は、私の知る別の天才のせいなのですが、この話はまた別の機会にしましょう。

高校時代は私たちにとって大きな転換点でした。偏差値で選別されたクラスメイトは総じて出来がよく、私たちはトップの座を渡さざるを得なくなりました。私たちは埋もれてしまったのです。
井の中の蛙大海を知らず。
あんなに元気だった彼女は日に日におとなしくなっていっていきました。とても悲しい思いをしたのを覚えています。

 

時は経ち、二人とも無事、うつ病にかかりハッピーエンドです。

高校卒業後、一度だけ飲みに行ったけれども雰囲気変わってたなあ。憧れだったのになあ!!